ネパールは人間より神様が多い国といわれるほど、信仰の対象とする神様が多くあります。
神様が多ければ、必然的にお祭りも多くなります。
「お祭りの間に仕事をしている」といわれるネパールで、観光客が楽しめるお祭りの時期と食べ物を中心にご紹介します。
ネパールのお祭りの時期と食べられる食べ物
お祭りで家族が食べるご馳走はセルロティ(米粉で作ったドーナツみたいな揚げパン)と肉料理は必須です。
肉料理は水牛と鶏肉、ヤク、マトンが多く使われます。
都市部に比べて、地方では肉食べること自体がご馳走の面もあります。
民族ごとに、家庭ごとに味は異なります。
次からは、ネパールのお祭りを時期ごとに簡単に紹介します。
ネパールの春に開催「シバラトリ」はパシュパティナート巡礼
春の大きなお祭りはシバラトリとホーリーです。
中でもシバラトリは、ヒンドゥー教のシヴァ神のお祭りです。
カトマンズのパシュパティナートは、世界遺産にも登録されているシヴァ寺院です。
シバラトリはシヴァ神が降臨する夜で、ネパールだけでなく、
インドからも多くの巡礼者が訪れます。
同時にサドゥと呼ばれる修行者も集まります。
クマリに会える「インドラジャトラ」では仮装舞踏団も登場!
9月ごろに開催されるインドラジャトラではクマリが乗った山車が巡行します。
このお祭りの間だけ、カトマンズの人々を祝福するためにクマリは館から現れます。
旧王宮広場(ハヌマンドゥカ)に巨大な御柱が立てられ、
連日ヒンドゥー教の神々に仮装した舞踏団が舞踊を行います。
8日間開催されるこのお祭りは、シャハ王朝の歴史も絡む「カトマンズ」のお祭りです。
ネパール最大のお祭り「ダサイン」は家族が一堂に集う行事
ネパールで、最大のお祭りは毎年9月中頃から10月の15日間に
わたって開催される「ダサイン」です。
ヒンドゥー教のお祭りですが、最終日は満月と決まっていますので、
毎年開催日が微妙に変わります。
このお祭りの開催に合わせて家族で過ごすために、
ネパール国内は民族大移動レベルの帰省ラッシュになります。
学校はティハールまで約1か月、会社もダサイン期間は約1週間休みになります。
ダサインでは生贄の動物が捧げられ、家族でご馳走を食べます。
観光客がお祭りを楽しむなら「ホーリー」と「ティハール」
観光で訪れるネパールのお祭りなら、「ホーリー」と「ティハール」です。
ホーリーは春、ティハールは秋のダサインの後に開催されます。
今までご紹介してきたお祭りも全部、月の満ち欠けやネパール暦によって開催日が決まります。
お祭りの開催日は、旅行会社のツアー情報で早めに確認してください。
ネパールのお祭りに参加するならオススメの祭りはホーリー!
3月の満月の前日に開催されるホーリーは春の訪れを祝う行事です。
西暦では、3月20日が目安です。
ホーリーはヒンドゥー教の悪魔払いの行事でもあり、春の収穫祭の面もあります。
「ハッピーホーリー!」と声をかけると、
その場に居合わせた人は色粉や色水をかけられます。
カトマンズの観光客が多い地区では、
色粉や色水の被害を防ぐために商店は臨時休業するほどです。
ホーリーに参加したい方は、汚れてもいい服装をご準備ください。
「見ているだけ」と思っていても、極彩色の色粉や色水がどこからでも降ってきます。
スマホやカメラの防水対策もお忘れなく。
そして、ホーリーの魅力は「誰でも参加OK!」なところです。
ホーリー当日は色粉を始め水鉄砲も売っています。
「踊らにゃソンソン」と参加してください。
色粉をつけて、つけられて、合言葉は「ハッピーホーリー!」
どうぞ怒らないで楽しんでください。
ただし、この色粉は洗っても落ちにくいので、そこは覚悟してください。
ティハールでは「光の祭典」と呼ばれる幻想的な光景を満喫!
ティハールの1日目は「カラスの日」!2日目は「犬の日」?
ティハールはダサインから約2週間後の10月末から11月の時期にかけて開催されます。
新月を挟んで4日間から5日間開催されるティハールは
ネパール国内ではダサインに次ぐ大きなお祭りです。
ヒンドゥー教の豊穣と幸福の女神ラクシュミー(仏教の吉祥天)を家に迎えるために、
花を使ったデコレーションやライトアップをすることから、
別名「光の祭典」といわれます。
1日目はカグ・ティハールと呼ばれ「カラスの日」です。
エンマ大王の使いのカラスにプジャします。
プジャはお祈りのことで、エンマ大王に悪い事を知らされないように、
カラスに美味しい食べ物をあげます。
2日目はククル・ティハールで「犬の日。」
犬もエンマ大王の使いです。
飼い犬にプジャを行います。
飼い犬がいない人は、野良犬にプジャします。
ネワールのお正月を彩るティハールは賑やかに華やかな光の祭典
3日目は、ラクシュミー・プジャ。
自宅に女神ラクシュミーを招きます。
女神ラクシュミーの仏像や絵を飾り、供え物をします。
果物やお花の他にセルロティと呼ばれる
米粉で作ったドーナツみたいな揚げパンをお供えします。
このセルロティは、お祭りやお祝いに欠かせない食べ物です。
この日はティカの粉で家の外に絵を描き、
夜にはキャンドルを灯して、女神ラクシュミーに我が家を知らせます。
すると、子どもたちや若者が家々を回ってきます。
この日は女の子たちのバイリが歌ったり踊ったりします。
家の人はお布施としてお小遣いやお菓子を渡します。
4日目はゴバルダン・プジャ。
牛をプジャする日です。
農作業に欠かせない牛を休ませます。
ティカ(色粉)を付けて美味しいものを食べさせます。
同時に、この4日目はカトマンズ先住民のネワール族のお正月です。
また、この日は男の子たちによるデウシが巡ってきます。
前日の女の子たちのバイリのように家々をめぐります。
男の子たちのデウシは、踊るより家内安全の口上の後に歌を歌って、爆竹も鳴らします。
この4日目も明かりをともし、バイリやデウシにお布施をします。
このお布施は、渡すことで幸せになるといわれています。
エンマ大王から弟を助けたお姉さんの伝説がバイティカの由来
そして5日目はバイティカです。
「兄弟や姉妹の日」といわれ、女性たちは自分の兄弟の長寿や健康をプジャします。
エンマ大王から弟を助けたお姉さんの伝説に基づいています。
マサラと呼ばれるナッツやお菓子を混ぜたものやドーナツのようなセルロティ、
果物やヨーグルトを女性たちは前日から手作りで準備します。
そして、兄弟にティカをつけ、エンマ大王から
身を守ったといわれる花の首飾りをかけ、手作りの食べ物を渡し、
ネパールの帽子のトピをかぶせます。
男性はお礼にお小遣いを渡します。
姉妹のいない人達は、カトマンズの中心にある池に移る自分にプジャします。
この池のあるお寺は年に一度、バイティカの日だけ開かれます。
観光客必見!知っていると得するティハールのここだけの話
ティハールの5日目の「バイティカ(兄弟や姉妹の日)」は、
運が良ければ参加することができます。
もし、その時期にネパールでホームステイをしていたら、
誘ってもらえることもあるからです。
女性は一緒に料理を作って、男性に渡すことができます。
そして、男性はナッツやお菓子を混ぜたものやセルロティを渡され、
花の首飾りやトピをかぶせてもらえます。
男性は誘ってくれた男性に、事前に渡すお小遣いの金額を確認することを忘れないでください。
彼の方が少しでも多くなるように、お小遣いを女性に渡してください。
この儀式で、女性と男性は兄弟姉妹の契りをかわしたことになります。
親しくなったからといって、恋人にはできません。
「かわいい妹」と「頼れる兄」ですから。
ネパールのお祭りの時期と食べ物:まとめ
宗教色の強いお祭りが多いネパールですが、見るだけでなく参加できるものもあります。
また、同じお祭りでも地域や民族によって微妙に異なります。
毎年、日にちも異なります。
そして、ネパールのお祭りはガイドブックだけではわからないことも多くあります。
できれば現地のガイドさんが同行するツアーがおすすめです。
お祭りがもっと楽しめます。
ぜひ、ネパールのお祭りに出掛けて、食べて、楽しんでください。
コメント