ネパールのお祭り「ティハール」は別名「光の祭り」と呼ばれます。
これから、2019年のティハールをご紹介します。
日本で言うと収穫祭に当たるティハールは、感謝をささげるひとときです。
その後、光に彩られた華やかな時間が街を包みます。
ネパールの祭りティハール2019の日程はいつ?
2019年のティハールの日程をお伝えします。
2019年10月25日(金)から10月29日(火)に開催されます。
全体の日程をお伝えします。
- 10月25日は、カーグ・ティハールです。
- 10月26日は、ククル・ティハールです。
- 10月27日が、ラクシュミー・プジャです。
- 10月28日が、ガイ・プジャとモープジャです。
- 10月29日は、バイ・ティカです。
お祭りの日にちは、ネパール暦がもとになっていますので、毎年変わります。
新月を挟んで、合計5日間がティハールになります。
でも、1日目から5日目までの内容は変わりません。
ちなみに、3日目から5日目までの3日間は、公休日です。
公的機関や銀行は休みになりますので、ご注意ください。
昨日から五日間までお祝いするネパールのおお祭りの一つティハールと言う祭りの1日目でカラスの日でしたが今日2日目で、今日はネパールで閻魔様の使者である犬を祭り上げるククルプジャの日。
犬たちが花の首飾りとごちそうにありつける日です。#ネパール文化 #VisitNepal2020 pic.twitter.com/BwicUZO7zM— ビジット・ネパール・2020年 (@VisitNepal2020J) November 6, 2018
ネパールの祭りティハールとは?何をするお祭り?
ネパールのティハールは、ヒンドゥー教のお祭りです。
富と繁栄を司るラクシュミー神を家に迎えて、お祈りします。
ラクシュミー神はヒンドゥー教の女神で、ヴィシュヌ神の妻とされています。
ヴィシュヌ神は、ヒンドゥー教の最高神3人の中の1人です。
またラクシュミー神は、仏教では吉祥天とも呼ばれます。
吉祥天も美と豊穣の女神ですが、弁財天と混同されやすいので、ちょっと困っています。
ティハールの1日目と2日目は何をする?
ティハールでは3日目のラクシュミー・プジャで、自宅にラクシュミー神をお迎えします。
そのために、1日目のカーグ(カラス)・ティハールではカラスを、
2日目のククル(犬)・ティハールでは犬をプジャします。
プジャは、大切にすることです。
カラスには個別対応できないので、食べても良い食料を準備します。
飼い犬がいる家では、自分の犬をプジャします。
マリーゴールドで作ったネックレスをかけて、額にティカをしてご馳走を与えます。
ネパールやインドではマリーゴールドで作ったネックレスは
神様や仏様にお供えするために使います。
ですから、プジャするということを日本語では、
お供えをして感謝の祈りを捧げるといった方がわかりやすいと思います。
ネパールでラクシュミー女神を迎え富と繁栄を祈る祭り『ティハール』が始まった。
1日目は閻魔大王の使者と言われるカラスに祈り2日目は同じく使者である犬のおでこに花びらを潰した赤い粉(ティカ)をつけマリーゴールドの花輪をかけて プジャ(お祈り)する。
家のない犬たちも美味しいものが貰える。 pic.twitter.com/2jQSKkkaNK— tasha (@phootahh) November 8, 2018
でも、どうしてカラスと犬なのでしょうか。
カラスも犬も、エンマ大王の使いといわれています。
人間が悪いことをすると、エンマ大王にチクリに行くので、
ティハールにプジャして機嫌をとるのです。
この他に、カラスは知らせを伝えるものとして、良い知らせを願うという解釈もあります。
また、犬は番犬として普段人々を守っているので、感謝すると考える人もいます。
ティハールの3日目は?
3日目は夜にラクシュミー・プジャを行います。
美と豊穣の女神を自宅に迎えるために、朝から掃除と飾りつけでどこの家も忙しく働きます。
特にお店は、商売繁盛を祈願するので、頑張りが違います。
飾りつけはマリーゴールドを中心とした花と、玄関前の地面に描かれる「ランゴリ」です。
美しい絵柄で、ラクシュミー神を迎えます。
そして、家の玄関や四方に明かりを灯して、準備完了です。
2017年ティハール祭り。
写真はお金の神様「ラクシュミ」をお家に呼び込むためのカラフルなマンダラ。
今日はネパール人にとって特別な日。街を歩いているだけで面白い。 pic.twitter.com/dM9eYFa9pd— ネパールのことならなんでも (@nepalnandemo) October 19, 2017
この明かりは、一晩中絶やすことなく灯されます。
現在では、イルミネーションを使用するところもありますが、
電力事情がよくないこともあって、ローソクやオイル灯明を使用する家庭も多くあります。
ラクシュミー神を迎えるために一晩中灯される明かりから「光の祭り」と呼ばれるのです。
この夜は、女の子たちが「バイリ」と呼ばれる歌や踊りで家々を回って、お菓子やお小遣いをもらいます。
ティハールの4日目は何をプジャする?
4日目のガイ・プジャは、地域によっては3日目の昼に行われ、
ゴバルダン・プジャ(ゴルティハール)と呼ばれる行事を行うこともあります。
また、ガイ・プジャを盛大に行って、
ゴバルダン・プジャ(ゴルティハール)は控えめに行うこともあります。
ガイは雌牛、ゴバルダンは雄牛です。
雌牛は牛乳を出すので、雄牛より大切にされます。
それだけではありません。
雌牛の尿はお清めや儀式に使われ、フンは家の壁などを塗り固める材料になります。
ティハール祭4日目の今日は牝牛にプジャをする日でもあった。マリーゴールドの花に色粉をつけ、スタンプの要領でポンポン体につけ飾ってあげる。そして花飾りを首にかけ、赤いティカを施す。カトマンズ市内ではなかなか見ることのできない貴重なプジャの様子。朝、郊外の村にて。 #ネパール pic.twitter.com/ivn9rmwugA
— 日々のネパール情報 (@infonepal) October 31, 2016
でも、雄牛も役割はあるのです。
畑を耕したり、物を運んだり、農作業に欠かせない労働力です。
だけど、雌牛の方がプジャされます。
人口密集地で牛を飼う家が減ったので、街中では見かけられなくなりました。
地方ではマリーゴールドの首輪をかけて、オデコにプジャの赤い印をつけた雌牛を見ることができます。
この日は雌牛も雄牛も仕事はお休みです。
そして、この夜は男の子たちが家々を回って「デウシ」と呼ばれる歌や踊りを披露して、お菓子やお小遣いをもらいます。
ティハールの4日目は、もうひとつの大切な日
ティハールの4日目はモー・プジャです。
これはネワール族のお正月です。
他民族国家のネパールではネパール暦を政府が発表しても、民族によって行事は異なります。
その象徴が、ティハールの4日目のモー・プジャです。
ネワール族は、カトマンズ盆地の先住民族です。
この日に体を清めて、新しい年を迎えます。
では、この日に他の民族は何をしているのでしょうか?
公休日ですし、お祭り大好きなネパールの人々は、それぞれに盛り上がっています。
前日が夜を徹して明かりを灯し続けるので、日本の大みそかのような感覚です。
カウントダウンなどの盛り上がりではなく、
厳かに新年を迎えるネワール族の邪魔にならないように、休日を楽しみます。
今日はネワール族の新年でもある。毎年この日、ネワール族の新年とティハール祭を祝い、タメル地区の路上に描かれる大きな曼荼羅。花びらや豆、米を使って描かれるそうだ。 #ネパール pic.twitter.com/NeUEwXmJfm
— 日々のネパール情報 (@infonepal) October 24, 2014
ティハールの5日目は運命の日?
ティハールの5日目はバイ・ティカです。
どうしてバイ・ティカが運命の日なのか?
もう少し後で、お話をします。
バイ・ティカは姉妹が自分の兄弟にティカを贈る日です。
こんな言い伝えがあります。
昔、エンマ大王が地上にお迎えにやってきました。
病気の弟を連れていかれそうになった姉が、
「この花が枯れるまで、連れていかないで」とお願いしました。
色褪せない千日草を首にかけられた弟は、その後何年も生き続けたというものです。
姉が弟の命を助けたことから、現在では姉妹が兄弟の健康と長生きを願って
千日草やマリーゴールドの首飾りをかけ、ティカを贈ります。
このティカは、バイ・ティカだけの特別なものです。
赤いお米ではなく、コメの粉を水に溶いて細長い線を引き、その上に様々な色をのせていきます。
千日草の首飾りと、ティカだけでなく、伝統の帽子トピー帽子、ナッツや果物も贈られ、手作りの料理でもてなします。
ネパール版ドーナツのセルロティ、揚げパンのプリ、肉料理も数種類準備してもてなします。
男性からのお返しは、洋服やお小遣いを渡します。
そこで、姉妹のいない人はどうするのか?
カトマンズにあるラニポカリの寺院でティカを授かります。
昔は池に写る自分の姿にお祈り(プジャ)していました。
(チョットさびしい。)
ということで、この寺院は普段は門が締まって入れませんが、
年に一度バイ・ティカの日だけ、特別に開門します。
もう一つ、こちらの方が重大なことなのですが、兄弟のいない姉妹はどうするのか?
従兄たちをプジャします。
それ以外に、親に認められた人をプジャすることもあります。
そこで問題の運命の日です。
バイ・ティカは兄弟の契りを結ぶ意味もあります。
ですから、バイ・ティカでプジャすることは、兄弟としてお付き合いすることになります。
親戚が憧れの女性とバイ・ティカで結ばれて、泣く泣く結婚を諦めた男性もいるそうです。
日本同様、ネパールでも濃い親戚と結婚はできません。
「好きだから、結婚したい」ではなく、決まりだからその女性を諦める。
そんな男性は、やっぱり結婚もなかなかしないようです。
ネパールの男性の純粋で古風な一面を物語るエピソードです。
ハッピー・ティハール!「いいことありそう」とつぶやいた次の瞬間、サービスでセルロティをいただく😍そう。今日はネパールのお祭り、ティハールの5日目なのだ。 pic.twitter.com/IwJNSwIk0B
— ワイルド系作曲家🚴♀️千夏(CHINATSU) (@cchasegawa) November 9, 2018
ネパールの祭りティハール2019はいつ?何をする?:まとめ
今回は2019年のティハールの日程と、お祭りの内容をお伝えしました。
2019年のティハールは10月25日(金)のカーグ・ティハールに始まります。
10月27日(日)の夜が、一晩中明かりが灯される「光の祭り」です。
今年は、あなたも幻想的な一夜を体験してみませんか?
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