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ネパールの成人年齢・成人式バルタマンとは?カーストによって違う

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(上の画像は、イメージです)

日本では、1月に各自治体で成人式が行われますね。成人年齢も20歳の時に、行われます。

20歳を成人とするのは、明治9年に出された法令によって定められたとされています。

このような式を行うのは世界的にも珍しいようですが、

世界ではどのような成人式が行われているのでしょうか?

今回はネパールの成人年齢と、成人式にあたる「バルタマン」をご紹介していきます。

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ネパールの成人年齢は何歳?

 

ネパールでは選挙年齢は18歳と決められていますが、成人年齢は厳密には決まっていません

バルタマンという儀式を通過して初めて大人とみなされ、結婚が許されます。

そして、このバルタマンを行う時期ですが、誕生日と式によい日を暦の中から占いによって決められます。

そのため、子供で受ける人もいますし、かなり大人になってから受ける人もいます。

平均すると、16歳くらいになるそうです。

日本の成人式の習慣に慣れていると、人によって年齢が違うと言うのは、不思議ですよね。

 

ネパールの成人式はどんな感じ?

 

ネパールの成人式の流れとしては、家に親戚や友達を大勢招待して、みんなの前で頭頂部の髪の一部を残して剃髪し、聖水をかけてもらいます。

そして行者の服に着替えて、聖紐というものをもらい、マントラという「真言」を授けてもらいます。

招待客からは服や果物やお金など、贈り物をたくさんもらいます。

それから外に出てからお布施などのようなものをもらい、家に帰ったら儀式が終了します。

ただしこれは、ブラーミン(カーストの名前)を含め、一般的なネパールでの成人式の流れです。

カーストによって、少し違ったりします。

 

例えば、うちのネパール人夫はネワールの人ですが、

ネワールの成人式では、先ほどの儀式をやった日の翌日から、家のある部屋に10日間閉じ込められます。

うちの夫も、弟と一緒に成人式を済ませたので、二人で10日間部屋に閉じ込められたのです。

 

こう見ると、ネパールの成人式は宗教的な意味合いの強い儀式であることがわかるのではないでしょうか?

バルタマンは、ヒンドゥー教上の「生命をもって再生する儀式」です。

聖紐は神仏とつながる印であり、身を清めてこれを持って出ていき、宗教を勉強しにいく(修行しにいく)ことを「入門式」と言われます。

そして宗教の教義を学んで家に帰ってくることを「帰家式」といいます。

こうやって帰ってきてから、家族やカーストとしての一員として認められます。

 

ちなみに伝統的には髪を切るのは、叔父さんが行うのです。

そして、かつては家に帰ってくる、というか引き戻していたようで、その役目を友達や兄弟がやっていたこともありました。

 

ヒンドゥー教のなかの儀式のため、カーストとも関連があります。

ヒンドゥー教にはバラモン(ブラーミン、ブラーマン)、クシャトリヤ、バイシャ、シュードラなどというカーストがあります。

バラモンは司祭、クシャトリヤは王族、バイシャは農民や職人、シュードラは奴隷。と社会で習った人も多いと思います。

 

このうちバラモンとクシャトリヤ、バイシャを「再生族」といい、バルタマンを受けることができます。

また、バルタマンを受けられる時期も、バラモンは8~16歳,クシャトリヤは 11~22歳,バイシャは 12~24歳と定められています。

バラモンが早いのは、他の二つよりも身分が高く、ヒンドゥー教の教義をよりはやく学習できる特権が与えられているためです。

 

一方、このバルタマンを受けられないのが、シュードラです。

この人たちは「一生族」といい、ヒンドゥー教内での枠から外され、差別を受けてきました。

ちなみに、このシュードラはインドにもともといた先住民であり、アーリア人がインドに侵入したときに征服された人々なのです。

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ネパールの成人式と日本の成人式の共通点・違い

 

日本の成人式は、1946年11月22日に埼玉県の蕨町において実施された「青年祭」がルーツとなっているのが定説です。

ネパールの成人式と比べると、宗教色はありません。

また、日本の成人式が自治体で決めた場所に集まって行われるのに対して、ネパールの成人式は各家庭で行われます。

ただし、寺合同でバルタマンが行われることもありますが、日本とは違い、様々な年齢の若者が集まってきます。

 

ちなみに、このバルタマンは「男の子」の儀式です。

「女の子」の成人の儀礼にあたるものは基本的にはないですが、初潮を迎えた時に「清め」と「暗室(洞窟)籠り」という儀礼があります。

これは、グファと呼ばれ、洞窟という意味です。

この時期には、男性や太陽を見てはいけないとされています。

 

 

こうしてみると、日本の成人式とネパールの成人式にあたるとされるバルタマンは、かなり違うことがわかります。

かつては日本でも成人の儀式として、「元服」が行われていました。

元々は公家とよばれる貴族の男の子の儀式でしたが、室町時代には民間にもひろまっていきました。

年齢は15歳くらいだそうですが、家によって違っていたようです。

江戸時代になると、武家や庶民は簡単に前髪を剃って済ましていました。

江戸時代には女の子にも「元服」の儀式があって、お歯黒をつけて眉を剃るというものだったのです。

 

ネパールの成人式と比べると「軽い」印象を受けますが、当時の女の子達はどのような気持ちで受け入れていたのでしょうか?

なんだか切なくなってしまいます。

 

ネパールの成人年齢と成人式:まとめ

 

ネパールの成人年齢と成人式について説明してきましたが、日本の同窓会的な成人式とは違って、ネパールの成人式は、宗教に根ざした伝統的な儀式であることがわかると思います。

ただ、これだけではありませんが、こういった儀式によってカースト制度が意識されていて、

差別問題がなかなか解決できなかったり、女の子の権利問題が解消できなかったりしているのかもしれません。

ネパールはヒマラヤ山脈や、世界遺産に指定された寺院や王宮が並ぶ旧市街など魅力的な場所があり、観光立国として発展してきました。

そんなネパールで地震が起こって、4年が経とうとしています。

現在、街中はかなり復興している様子で、観光客も戻ってきているそうです。

雨期など、初心者はちょっと避けたほうがいいような季節もありますが、一度、訪れてみてはいかがでしょうか?

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