ネパールでは、ダサインの祭りの時に、ティカをつけます。
実はティカをつける日が、ダサインのメイン行事なのです。
そこで、今回はネパールのティカの意味や、ティカの材料についてお伝えします。
意外にも、ティカはダサインだけではありません。
どうぞ、お楽しみに。
ネパールのティカの意味とは?
ネパールでティカをつけることは、「幸せが来るように」と祈る意味があります。
その他にも、旅行に出発する前にティカをつけることがあります。
この場合は、「旅の安全を祈る」といった意味になります。
ティカを付けたまま、外国の空港に降り立った瞬間に、
周りの人がドン引きすることもあるそうです。
「オデコから血を流している」と勘違いされるからです。
本人は笑えますが、周りは恐怖でひきつってしまいます。
そして、ティカは年長者がつけるきまりがあります。
ネパールでは家父長制が色濃く残っているので、「長幼の序」を重んじます。
年長者は年下や子どもを慈しみ、年少者や子どもは大人を敬います。
ですから、子どもはたくさんつけてもらいますが、大人はつけられる量は少なくなります。
ティカには個人の幸せだけでなく「幸せな未来になるように」との願いも込められています。
今日はネパールのお祭り、ダサインだったのでネパリの友人にティカ(眉間の赤いの)を付けてもらいお祝いしていました。
ロティやビリヤニを手作りして振舞ってくれた友人に感謝🙏🙏🙏#ダサイン #ネパール #お祭り pic.twitter.com/Jsye8MD9BB— ごまキチ (@biii_ziii_biii) October 8, 2019
ネパールのティカの色や材料は?
ダサインで使用されるティカは、お米とヨーグルト、赤い色粉で作ります。
ダサイン以外でも、ティカをつけることがあります。
例えば、既婚女性が普段つけるティカはシール状のものも、最近は販売されています。
この場合は、丸い形と涙型があります。
このティカは、女性だけがつけます。
でも、赤色です。
ちなみにダサインのティカは、男性も女性も既婚未婚に関係なく誰でもつけます。
ダサインのティカの赤色は「幸せの象徴」の意味があります。
ネパールのお祭り、ダサインに招待されてました。おでこにティカと呼ばれる赤い米を付けます。カーストの低い人に高い人が付けてあげるんだって。そのあとカレー(混ぜご飯)もご馳走になりました。ぐちゃぐちゃご飯にもだいぶ慣れてきた感じがある……(見た目で引いちゃうタイプ)辛くてうまい… pic.twitter.com/lKj0SmzYCM
— 返信停滞ろく@サークル「90ℓ」 (@6yuko) October 8, 2019
ネパールで赤色に意味がある?
ネパールで赤色は神聖なものを意味します。
ネパールの国旗も、赤色です。
どちらかというと深紅です。
この深紅には、2つの意味があります。
一つはネパールの国の花、シャクナゲの色です。
もう一つは、国民を象徴しています。
一説には、国民の勇敢さを示すともいわれています。
国旗の赤色が国民で、もともと赤色が神聖なもの。
とても意味深い国旗のデザインです。
ティカの材料のヨーグルト
色粉と米、ヨーグルト、砂糖を混ぜてティカを作っています。
肉を食べない家庭では白いティカを作ります。
赤は動物の生命力を表しているのかもしれません。
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His father made Ti… https://t.co/j9dtaDk7X2 pic.twitter.com/peTYckt4k8— Khohei Takesita (@bamboototo) October 6, 2017
チョットここで、寄り道をします。
ヨーグルトをティカの材料に使いますが、不思議に思いませんか?
ヒンドゥー教では、牛は神聖な生き物です。
神聖な生き物である牛の乳を食べるのか?
答えは、イエスです。
インドは東洋で最も古くから乳を利用したといわれています。
牛は神聖というよりは、農業でも役に立ち、牛乳の恩恵も受けます。
そこで、牛をむやみに殺さないようにという意味で、神聖な生き物と崇めるようになったといわれています。
ネパールでは牛や水牛の他に、ヒマラヤ牛やヤク、山羊の乳を飲んだり乳製品に加工したりしています。
ヒンドゥー教の祭りにヨーグルトを使うのは、ネパールの人にとっては不思議でも何でもありません。
それから、どうしてヨーグルトなのか?
理由は、水のほうが貴重だからです。
日本では粉を混ぜる時は水が一般的ですが、ネパールではヨーグルトです。
多少粘りもあるので、混ぜる時には重宝します。
ネパールのティカとダサインの関係
ティカとダサインは、密接な関係があります。
ダサインについては、こちらで詳しくどうぞです↓
ダサインのメインイベントは、年長者がティカを授ける日だからです。
ティカを授ける日は、10日目のビジャ・ダサミに行われます。
ティカを授ける時間は、占いによって決定されて、発表されます。
ティカの日にちを決めるもとになる、ネパール暦も毎年発表されます。
この時間を開始の時間として、年長者はティカを授けます。
オデコのティカは付けたままにしますが、どうしても自然に取れてしまいます。
取れたティカはどうなるのでしょうか?
家の中の至る所に、赤色の色素をつけてしまうのです。
学生の写真を拝借したけど、ちゃんと自宅でお祝いしてるみたい(*´∀`*)
ティカ付けたまま、授業も受けてるみたいだし、楽しそうだなー!#ダサイン #dashain pic.twitter.com/LTxdBVCbRi— いぶき (@ibu213) October 22, 2015
ネパールのティカの由来・歴史
ネパールでティカと呼ばれる赤い印は、インドではビンディと呼ばれています。
ビンディはサンスクリット語で「点」の意味です。
基本的には、既婚女性がつけます。
配偶者の男性が、生存中はつけています。
その上、ティカをつける位置もヒンドゥー教で決められています。
まるで第3の目のようですが、実際の位置は微妙に異なります。
伝統的に赤い顔料を使用していますが、近年ではシールを使うこともあります。
また、ティカに似ている「シンドゥール」もあります。
こちらは、髪の生え際に近いところにつけます。
ネパールやインドでは髪を真ん中で分けるので、髪の分け目あたりに付けることになります。
実はこれも既婚女性の証です。
結婚式の儀式の途中で聖職者によって、髪の分け目あたりを赤く塗って結婚したことを意味することもあります。
そして、シンドゥールの原料はウコンです。
チョットわかりにくくなったので、整理します。
オデコの髪の生え際の中心部分にあるのが、シンドゥールです。
そしてもう少し下にあるのが、ティカです。
それでは、ダサインのティカについて少しお伝えします。
現在のダサインは、家族が集まる一大イベントです。
しかしネパールが王国であった時代には、今以上に宗教色が濃いものでした。
繰り返し、ティカは年長者が授けるものとお伝えしていますが、年長者は誰から授かるのでしょうか。
例えば国王は、クマリから授かっていました。
クマリというのは…?↓
理由は、クマリにはドゥルガー神が宿っているとされたからです。
ダサインはドゥルガー神が悪魔に勝利したことを祝う祭りだからです。
ネパールのティカの意味とは?色や材料は:まとめ
今回はダサインのティカについてお伝えしました。
お米と赤い色素をヨーグルトで混ぜたものを、年長者から授かります。
「幸せが来るように」願を込めて授け、授かります。
家族の絆を確かめ、深めるダサインのティカ。あなたにもその想いが届きますように。
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